婚姻の儀まで残り1ヶ月、慌ただしくなる準備
アルノルトとの婚儀まで残り1ヶ月を切り、皇都では準備が着々と進められていた。そんな中、アルノルトは近衛騎士団の拡大を考えており、その動きを未来の戦争準備ではないかと疑ったリーシェは、情報を集めることを決意する。
歌劇場での出来事とディートリヒ殿下の登場
アルノルトとリーシェは、皇都の歌劇場を訪れる。しかし、その舞台上で歌姫シルヴィアが突然倒れてしまう。緊迫した状況の中、なぜか元婚約者のディートリヒ殿下が現れる。
ディートリヒはアルノルトを悪し様に言うが、リーシェはそれを看過できず、「夫としてのアルノルト殿下がどれほど素晴らしいかを証明する」と宣言する。
スパイごっこという名の遊びと、ガルクハイン皇帝との遭遇
リーシェとアルノルトは、スパイごっこと称して皇城内の城壁沿いを歩く。そこで感じた凄まじい殺気――それは、アルノルト殿下の父であり現皇帝だった。
一方、ディートリヒはアルノルトの公務に同行する中で、彼が皇太子として完璧な人物であることを思い知る。しかし、その姿はまるで「人間としての幸福を全て捨てた」ようにもディートリヒには見えた。
歌姫シルヴィアの正体と、戦いの幕開け
歌姫シルヴィアは、実はガルクハインへ潜入を命じられた諜報員だった。諜報員を抜けようとしている彼女を守るため、リーシェとアルノルトは囮になり歌劇に出演。歌劇の最中に敵との戦闘が始まる。アルノルトとリーシェの息の合った剣技は、本当の戦闘とは思われず歌劇の一部として観客をも夢中にさせた。
これら2人の活躍を見て、ディートリヒはアルノルトを「人間としての幸福は捨てているように見えるが、リーシェを幸せにする覚悟はある」とアルノルトのことを理解する。
誓いのキスの練習とリーシェの恋の自覚
「あなたの妃になれることが、今の私にはとてもうれしい」と語るリーシェ。そして、誕生日の贈り物として「誓いのキスの練習をさせてください」とアルノルトにねだる。
口づけを交わす中で、リーシェはついに自覚する――アルノルト殿下に恋をしていると。
アルノルト殿下のデレ度もついに10段階中6に上昇!ますます甘く、そして激しく展開する二人の関係に目が離せない第5巻だった。